くるりイベント「京都音楽博覧」
「京都音楽博覧会」は、自分たちがプロデュースしたお祭りです。音楽のフェスティバルって今ブームになっていますよね。特に僕らみたいなロックバンドはそういうところによく出るんですが、だんだんと自分らで好きなことをやりたいという気持ちが次第に強くなりまして…自分たちでしかできないことをやろうと。そしてせっかくやるんだったら誰も思いつかないような場所とかブッキングとか、そういう風にしたいなと思って始めたことなんです。ブッキングについては、僕はいろんな音楽が好きで、世間一般でよく言われる「ジャンル」とか「イメージ」とかで聴いたりすることはあまりしないんです。だから今回の出演者についてもパッと見はよくわからないブッキングだと思うんです。ルーマニアのジプシーのバンドだったり、アイルランドの伝承音楽やっている人たちだったり、沖縄の八重山の島歌みたいなのを歌っている人とか、それに僕らがいて小田さんがいて、と、そんな感じだったんですけど。僕は当然のように誰かと誰かが一緒にいてというのが…ちょっとあまのじゃくなのかもしれないですけど、あまり好きじゃないんです(笑)。「この次にこれですか?」とか「これとこれが一緒にやったらどうなるだろう?」というようなことを考えるのが好きで、それでいろいろ考えてこのブッキングをしたんです。ただ小田さんがこのお祭りをすごく楽しんでいただいたというのはホンマに自分としては嬉しかったですね。会場にいてずっと他のバンドの演奏とか見ているんですよ。自分がやったらすぐに帰ってしまうのかなと思っていたから結構ビックリしましたね。
これまで一度も面識のなかった小田さんに出演依頼をしようと思ったいきさつは、いろんな思惑があるんですが…。やっぱりこういうフェスティバルですから15000人呼ばないといけないというところで、知名度のある人が欲しかったというのがありますし、なおかつ街中でやるフェスティバルでしたからあまりドンパンやれないんですよ。なのでアコースティックの形態でできる人、あとは恐らくみんなが好きだろうという人、それと自分がすごく影響受けた好きな人で、その人が出るだけでテンションが上がるようなひと…そういう理由です。お会いしたことがなかったんで、これも何かの縁になればと思って…。
でも初めて小田さんにお会いした時は正直、怖い!と思いましたね(笑)。怖いおじさんや!と(笑)。でもすごく仲良くなれた、と勝手に思っています。まあやっぱり、これだけ長く音楽を続けてこられて、しかもまだ、まだというか全然現役というか第一線じゃないですか。そういう人は何て言うか、あまりヘラヘラしてたりとか、周りに気を遣って媚びを売るような人じゃできないだろうとあらためて思いましたね。コンサートを見て、また少しお話をして思いましたけど、この人はずっと音楽が好きで、音楽をやりたくてやっている人なんだなと…そういうことをずっと続けて来られたということは、僕らにしてもすごい励みになるし素晴らしいなと思いました。
今回一緒にやらせて頂いた「恋は大騒ぎ」は、小田さんのソロの楽曲の中では僕が一番好きな曲でした。すごく小田さんっぽい曲だなと…。で、本番ではいきなりのスコールに見舞われて、いやあ大変でした。僕らはずっと舞台袖で見てて、小田さんの時は僕らもステージに出て行ったんですけど。とにかく機材が濡れてダメになったものもあったり、あとお客さんは大丈夫かなとか…自分らが主催側なものでそういう心配をしていたら終わってしまいました(笑)。
打ち上げも非常に盛り上がりましたね。公園内のレストランというか施設を借りてパーティをしたんですけど、ルーマニアのTaraf de Haidouksというジプシーのバンドが突然演奏を始めたんですよ。本当に突然に…。楽器とかも自分たちで勝手に持ってきて始めたんですね。それで小田さんが60歳になったということを誰かから聞いたんだと思います。それとたぶん小田さんが日本で一番偉いミュージシャンだということを聞いてたと思うんですよ(笑)。それで誕生日の歌を歌うと言って…まあようわからん音楽なんですけど、どこがめでたいのかわからないような音楽なんですけど(笑)。小田さんも唖然としながらも楽しんでくれて…。それで盛り上がってきたらそのうちいろんなミュージシャンが演奏を始めたんですよ。アイルランドのLiadanというバンドがアカペラでコーラスをして、たぶんアイルランドの誕生日の歌だと思うんですけどそういうのをやって、小田さんはその人たちのことはすごく気に入ってらっしゃったんでとても喜んでくれていました。そのうち出演していたミュージシャンみんな演奏し始めて…そんなことってなかなかないんですけど。もちろんそんな打ち合わせも事前にあったわけではなく、ただ飲み食いして終わるという感じだったんで。とにかく出演者全員だったんです。そうしたらついに小田さんも立ち上がって…みんなに「言葉にできない」の「ラララ ラララ…」をこうやって歌えと言って…。みんな歌ってましたよ(笑)。すごく良かったですよ。私たちを入れて全部で8組、その人たちが全員で歌ったんです。しかも外国人だらけですからね~とにかく盛り上がりましたね。小田さんもこういうことは初めてじゃないかなと思いますけど。
小田さんのことは、怖いよとか体育会だよとか…そういう話は聞いていましたけど、恐らくすごい音楽が好きな人なんだろうなと思っていました。会って話をしたらすごいミュージシャンっぽかったから…。ミュージシャンでミュージシャンっぽくない人は苦手なんです。ちょっと芸能っぽい人とか、だらしない人とかは話はしにくいんですけど、小田さんはそういう部分がなくて、とてもミュージシャンっぽいからすごく好きになりました。相方の佐藤君もビックリしていたことがあって、小田さんの事務所に行って初めてお会いした時に「こんなに年齢に対してヒリヒリした現役感がある人だとは思ってなかった」と言っていたんです。年齢的にはもう隠居してるというか引退していてもおかしくないじゃないですか(笑)。でも小田さんにはヒリヒリした現役感があると言ってましたね。僕も年齢知らなかったら絶対に60歳とは思わないと思いますよ。
お会いできて光栄でした。あとは皆さんも言われてると思いますが、くれぐれも健康第一でということで…。この前おもしろい話をして、小田さんはオフコースの時はずっとフォークとかポップスとか言われていたらしいんですけど、実は気持ちはずっとロックだったんだ、というような会話をしていて…なるほどなと。そしてそれが先ほどのヒリヒリした感じにつながるのかなと思って。もうずっとロックンロールし続けてほしいと思いますね。
KAZUMASA ODA TOUR 2008"今日も どこかで"