★コメントタイプ:ひとり語り

★アーティスト:artist-0001

★対象:diary_01733

『プロデュース』


この間、島倉千代子さんのプロデュースをしたんだけど、俺、やっぱり裏方の仕事が向いてるな。映画に関しても同じこと言えるけどね。大体、人をどう見せたらカツコイイかっていう方が、自分の事よりわかるじゃない?『日本をすくえ!』の時も、拓郎って、もうこいつ我が儘でしょうがないな、でもここ見せたらカワイイだろうな、とかさ。拓郎が出したくない部分でも、絶対に大丈夫だからって思ったり。
人のプロデュースをするっていうのは、いい作品が出来れば本当に面白いのよ。今回のお千代さんに関しては、話しがきた時すぐに、よし、逆行しようって思ったんだ。今回の企画は新しい人達に書いてもらって、それに挑戦してみようっていう事だったんだけど、俺の中では演歌を歌ってる島倉さんって違うから、もう一度昔の歌謡曲を歌ってほしかったのよ。『からたち日記』のような、こう、そこはかとない可憐さが漂うようなね。俺はそういう、瞬間ふっと飛び散るようなさ、刹那的でも理屈抜きの喜びみたいなものを感じるのが音楽だと思うからね。美空ひばりの『悲しい酒』とかすごく嫌いなんだよね。で、さらに、今の年で歌う昔の島倉千代子は最高だと思ったわけ。だから、思いきってブリッコして欲しいって言ったの。キーも騙し騙しあげていって、可憐にかわいく。『これで充分かわいいですか?』とかそういうやりとりしながら(笑)。あの年でって言ったら失礼だけど、本当に十分可愛く出来たから、これは絶対お客さんだって元気づけられると思うんだ。『あの頃にとどけ』っていう曲なんだけど、なかなか下世話な出来上がりですよ(笑)。
人の仕事をする醍醐味って、“カムバック”っていうか、そういうドラマチックさにあるような気がしてるんだよ。新人をやれば、初めてキャンバスに色を塗るっていう楽しさがあるかもしれないけど、あげぞこしなきゃいけない感じってあるじゃない?そういう時間の使い方よりも、その人の等身大の魅力をしっかり出しさえすれば、絶対に輝くんだって思える人との方が面白く感じるんだよ。本当はこの人こんなにいいもの持ってるのに、ここ出せてないな、もったいないなっていうのを引き出す方が。それでその人自身が、自分の持ってるものに気が付いて、ああそうか、これ忘れてたな、とか。それが楽しいんだよ、リスクもあるけどね。だから、ゴルフなんかでも全く出来ない奴に”教えて”とか言われるけど、ゼロから教えるって面倒臭いんだよ。それより、上手かった人に、調子悪いんだけど、どうなってるかな?とか聞かれた方が燃えちゃうんだな(笑)

FUN MORE TIME! KAZUMASA ODA TOUR 1995