──ポジティブ・シンキングですね。
小田和正:
いや、俺はそもそもマイナス思考だからね。マイナスのことばっかり勘定しちゃう方なんだけど、長嶋監督のように、プラスに出していこうぜっていうことで付けたんだよ。とにかくやったあとに、やって良かったっていうふうに絶対に残るだろうと、最初に確信を持って。だから『日本をすくえ!』の時も、泉谷が話持って来て、ああ、これ最初から付き合ったら、人集めたり、大変だなって思ったんだけど、やることに絶対価値あるなって。だから、確信犯だよ(笑)。その時のライブの編集にしても、拓郎に『おまえ、責任持ってやれ』って言われたって、めんどくせーなって話なのよ、いろんな意味で。どうせやるなら格好良くなかったらイヤだしね。でも、ヨシ、わかったと、引き受けちゃうと(笑)。
FUN MORE TIME! KAZUMASA ODA TOUR 1995
★コメントタイプ:ひとり語り
★アーティスト:artist-0001
チャリティだからチケット代を安く、という意見もあったけど、あえて8000円とさせてもらった。
チャリティだからこそ高くすべきなんだ。それだけ寄付も集まるんだから。
1週間前の時点では、なにも決まってなかったんだよ。
一番心配してたのが拓郎さ。次は俺で、泉谷はなにも心配してないんだ。
当日を楽しみにしてる。このギャップが面白かったね。
『プロデュース』
この間、島倉千代子さんのプロデュースをしたんだけど、俺、やっぱり裏方の仕事が向いてるな。映画に関しても同じこと言えるけどね。大体、人をどう見せたらカツコイイかっていう方が、自分の事よりわかるじゃない?『日本をすくえ!』の時も、拓郎って、もうこいつ我が儘でしょうがないな、でもここ見せたらカワイイだろうな、とかさ。拓郎が出したくない部分でも、絶対に大丈夫だからって思ったり。
人のプロデュースをするっていうのは、いい作品が出来れば本当に面白いのよ。今回のお千代さんに関しては、話しがきた時すぐに、よし、逆行しようって思ったんだ。今回の企画は新しい人達に書いてもらって、それに挑戦してみようってことだったんだけど、俺の中では演歌を歌ってる島倉さんって違うから、もう一度昔の歌謡曲を歌ってほしかったんだ。「からたち日記」のような、こう、そこはかとない可憐さが漂う曲をね。俺はそういう、瞬間にふっ飛ぶような、刹那的でも理屈抜きの喜びみたいなものを感じるのが音楽だと思うからね。で、さらに、今の歳で歌う昔の島倉千代子は最高だと思ったわけ。だから、思いきってブリッコして欲しいって言ったんだ。キーも騙し騙しあげていって、可憐にかわいく。「これで充分かわいいですか?」とかそういうやりとりしながら(笑)。あの歳でって言ったら失礼だけど、本当に十分可愛くできたから、これは絶対お客さんだって元気づけられると思うんだ。「あの頃にとどけ」っていう曲なんだけど、なかなか下世話な出来上がりですよ(笑)。
人の仕事をする醍醐味って、カムバックっていうか、そういうドラマチックさにあるような気がしてるんだよ。新人をやれば、初めてキャンバスに色を塗るっていう楽しさがあるかもしれないけど、あげ底しなきゃいけない感じってあるじゃない?そういう時間の使い方よりも、その人の等身大の魅力をしっかり出しさえすれば、絶対に輝くんだって思える人との方が面白く感じるんだよ。本当はこの人こんなにいいもの持ってるのに、ここ出せてないな、もったいないなっていうのを引き出す方が。それでその人自身が、自分の持ってるものに気が付いて、ああそうか、これ忘れてたな、とか。それが楽しいんだよ、リスクもあるけどね。だから、ゴルフなんかでも全くできない奴に"教えて"とか言われるけど、ゼロから教えるって面倒臭いんだよ。それより、上手かった人に、調子悪いんだけど、どうなってるかな? とか聞かれた方が燃えちゃうんだな(笑)。
Kazumasa Oda Tour 2019 「ENCORE!! ENCORE!!」