2023年6月11日 第2回映画監督作品「緑の街」CSホームドラマチャンネルにて放送
人気アーティスト夏目草介(渡部篤郎)が、ある日突然、映画製作を宣言。
事務所の社長やスタッフたちは猛反対するが、夏目は構わずに製作準備に着手。
やがて、スタッフたちにも新しい世界に挑戦しようとする夏目に刺激され映画製作へと乗り出していく。
監督・脚本・音楽:小田和正
出演:渡部篤郎、中島ひろ子、尾藤イサオ、武田鉄矢、泉谷しげる、津川雅彦他、豪華キャストが集結。
──『緑の街』は公開から25年経ってもまったく色褪せていない映画だと思います。小田さんにとってこの映画はどんな存在となっていますか?
小田和正:
1本目の後、皆んなボクの体験した話なんかをおもしろ可笑しく見たいんじゃないかと勝手に考えて一本目の時のドタバタを映画にしたんだよね。1本目がイヤと言うくらい叩かれたので必死だったよ。
──『緑の街』は通常の劇場公開とは異なり、シネマツアーという形で全国を回って上映されました。映画館のない街に住む人たちにも映画を観てもらう、という目的があったのだと思いますが、当時としては非常に斬新な試みでしたし、今でも機材を運んで全国で上映するという取り組みはなかなかないことだと思います。当時、どんな思いでこの方式を選択されたのか教えていただけますか?
小田:
一作目を映画館でみた時、音に拘ったつもりだったのに全く思うように上映されてなくてガッカリしたんだよね。で、次をやるなら音響システムを会場に持ちこんでやろうと。ちょうど映画の上映システムが変わって行こうとする境目だったね。なかなかの冒険でした。
──主題歌にもなっている「緑の街」は、先に曲が出来てから、映画の物語・構想(脚本)が膨らんだのでしょうか?それとも映画の脚本が先で、その脚本をもとに曲を作られたのでしょうか?
小田:
映画の中で曲を歌うシーンが出てくるから撮影の時には準備出来ていなければならなかっし、とにかく出来るだけ早く曲に手をつけたいと思ってた。
──当時、クセの強い役の多かった渡部(篤郎)さんの起用について「普通の人間の役がなかったからね。数少ないまともなシーンを見て夏目役が出来ると判断したんだ」と語られています。渡部さんのほかに中島ひろ子さん、泉谷しげるさん、河相我聞さん、尾藤イサオさん、大友康平さん、大江千里さん、武田鉄矢さん、林泰文さん、そして津川雅彦さんと錚々たる個性的なメンバーがキャスティングされました。キャスティングの経緯で今だから話せるエピソードや裏話はありますか?
小田:
キャスティングは紆余曲折あったけれど、最終的には自分のイメージを優先させてもらいましたね。クランクインを半年遅らせて、脚本に時間をかけた分それぞれの役のイメージがハッキリできたし。渡部くんに初めて会った時、突然「ボクこの役出来ますよ」と言ってくれてビックリして、その時のことを良く覚えています。何しろ配給会社を通さない自主上映形態だから、尾藤さんや津川さんなどベテランの人たちを始めみんなが快く出演してくれてホントに嬉しかった。興味を持ってくれたのかもしれないね。
──メイキングを拝見しましたが、製作途中でも様々なトラブルがあったようですね。一番印象に残っているトラブルは何ですか?逆に撮影中の楽しかったエピソードや、思い出として残っていることを教えてください。
小田:
トラブルはいっぱいあったと思うんだけれど、今となってはもう思い出せないな。思い出すのは楽しかったことばかり。撮影が始まってしばらくして林くんが「監督、良い映画になりそうですね」と言ってくれたんだよ。みんなが映画に前のめりになって嬉しかった。仮タイトルにしていた「緑の街」に反対のスタッフがかなりいたようなので公募してみたら「映画」とか「ヨーイ、スタート!」などが出て来て、ヒット作なら「ヨーイ、スタート!」でもいいけれど、名作として残るなら「緑の街」だな、と押し切らせてもらった。
──映画製作は資金の面だけでなく、なかなか思うようにいかないことも多いと思います。また映画を撮ってみたいですか?もし撮るなら「こんな映画を撮ってみたい」というものはありますか?
小田:
撮りたいものがハッキリしていればとは思うだろうね。今撮ったらどんなことになるのか。あの頃、良く撮ったなと思いますよ。
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