1993年9月22日 シングル「風の坂道」発売。
『普遍性』
最近またね、残された時間っていう意識のせいもあるかもしれないけど、やっぱり自分の歌いたいものをちゃんと見つけて、キッチリ自分の言葉でやっていきたいと思うようになってきたんだよね。もちろん化けまくって、猫被ってっていうのもすごく好きだけど、俺のやってる音楽なんていうのは、下世話なことがある程度正しいっていう思いもあるしさ、80パーセントくらいはね。そういう下世話さに包まれて、どこかに本音が表現されてればいいとも思ってるし。でも、そういうものだけじゃなくて、やっぱり普遍的なものをどっかで求めるようになってきてね。なんかのメモに『自分の歌いたいこと』とか書いたりしてるわけ。そしたら、たまたま大江健三郎がノーベル文学賞とったじゃない。俺も若い頃全集買っていくつか読んだけど、難解だったなあ。でまあ、賞をとった事で、『普遍性』っていう言葉が久々に正面から来てるっていう感じを受けて。俺は別に、普遍性っていうものを振りすつもりはないけれど、それを追い求めるどどうも理屈っぽくなったりするわけで、その辺で自分との戦いみたいなものがあるんだよ。でも、そんなこともあって、あ、それでいいんだっていうね、なんか久々に天の声だったな。
そういう意味では、『風の坂道』とかは、極めて素直に、何にも考えないで書いたものなんだよ。普段はそれをやらないように、できるだけ離れて下世話な話でもっていかなくちゃって思って書いてるから。
『風の坂道』はレコーディングしながら、こういう曲を書いてみたいなってふっと思って、で、すぐその場で曲を書いて、次の日もうほとんど詩も出来てるみたいな、そんな自然な出来上がりだったんだよ。これは自分でもすごく新鮮だったな。
FUN MORE TIME! KAZUMASA ODA TOUR 1995